サマー・ランサーを読んだ

三秋縋さんの小説が面白かったんで、同じくメディアワークス文庫から出ている天沢夏月さんのサマー・ランサーという小説を読んでみた。

完全にタイトルと表紙につられてブコフで買ってしまったよ。

www.amazon.co.jp

 

ある高校生が槍道(剣道の槍バージョン)部で、才能を発揮していくというお話。

 

主人公は幼いころから剣道をやっていて、しかもめっさ強い。

けれど、剣道の師匠であるおじいちゃんが死んでしまってから剣道に打ち込むことができなくなった。

剣道の練習もせずに悩んでいるところ槍道を知りった。

マイナーではあるものの剣道と通ずるところも多くあり、いままでの経験を糧に槍道にのめり込んでいく。

 

 

槍道の試合と言うよりは、剣道の師匠であるおじいちゃんとの葛藤がたくさん描写されていた。

「あれだけ剣道やったけど、おれは槍に魅せられちまったんだ…!ごめんなじいちゃん…!」

という感じ。でもじいちゃんは死んでしまってるから、そんな簡単に苦悩が無くなるわけじゃなく、亡霊として主人公に付き纏っちゃう。

 

個人的には槍道部員との絡みをもっと見たかったなぁー。

槍道をはじめたきっかけは言及してたけど、もっとプライベート?なことも知りたかった!

部活漫画だからしょうがないけど、授業とか、放課後とかのシーンももっと欲しかった!

木村先輩とか設楽先輩とか魅力的なキャラだからもったいない!

 

でも試合の時の暑苦しさとかイライラする感じとかは凄く伝わってきて息をのんだ。

ちなみに槍道はフィクションです。

 

続編を期待していたが出ていないぽい。

 

天沢夏月さんは名前にもある通り夏の小説ばかり書いてるらしい。

サマーやら夏やらのワードにぞっこんな僕なので、他の作品もチェックしようと思う。

ニート祭りに行ってきた

2月10日ニートの日に開催された第10回ニート祭りに行ってきました。

第10回ニート祭り - ニュースタート事務局

 

主催は、引きこもりやニートの支援をしているニュースタート事務局というNPO法人です。

ニュースタートニート・引きこもりの人たちを自立させるために、仕事体験や寮での共同生活などの支援活動をしているようです。

また、レンタルお姉さん・お兄さんという訪問活動も行っています。定期的に訪問(手紙や電話も)し、コミュニケーションを通じて社会との繋がりをもてるようにサポートしていくらしいですね。

お姉さんを永久レンタルしたい。いかがわしいサービスではありませんぞ!

 

プログラムは、ニュースタートの若者たちによる小演劇、ニート・ひっきーいろはかるた鑑賞会、そしてゲストを交えてのトークライブといった感じでした。

しかし実際は、かるたは間に合わなくて中止、ゲストの一人は「見たいアニメがある」とのことで欠席、しかも他のゲストはそれを一切咎めない、というニート特有?のゆるいイベントでした。

僕も当日欠席の常習犯なので、責めることはできません。

 

小演劇ってどんな話なんだ?と思っていたのですが、ニュースタートの若者の実体験をまじえたストーリー(というかほぼ体験談)で、とても興味深かったです。

ニートをしていた時期はあったけど、寮生活を経て水泳のインストラクターになっただとか、IT企業に内定をもらっただとか、立派に更生していて、スゴイなあと思いました。

ちなみに演劇の方は、そこらの文化祭をはるかに下回るクオリティの棒読みで、失礼ながら笑ってしまいました(笑)

 

 

さて、メインプログラムであるトークライブのゲストは5人(内一人欠席)でした。イベントのチラシやWikipediaから簡単な紹介を。

 

雨宮処凛さん

若者の生きづらさ、難民問題について執筆や社会運動をしている。本人もかなり壮絶な過去があったらしい。

 

最近見た記事が衝撃的で、その筆者も雨宮さんでした。

www.shueisha-int.co.jp

 

・phaさん

京大卒のエリートニート。現在はギークハウス(主にネット・コンピュータが好きな人が住むシェアハウス)に住んでおり、できるだけ働かない生活をしている。

 

僕がこのイベントに参加しようと思ったのは、phaさんがゲストということだったからです。最近ミニマリストのブログを漁るのが日課になっていて、そこでphaさんの著書が評判になっていたことが、知ったきっかけです(まだ読んでないけど)。

当日もphaさんを目当てに来ていた方が多かった気がします。さすがの影響力ですね。

 

・仲陽介さん

就活をせずに大学を卒業後、ニート株式会社に参加。レンタルニートというプロジェクトを企画し、1時間1000円という料金でレンタルされている。

 

ニート株式会社って数年前に話題になって2chのまとめで見たので、そういえばあったな!って感じでした。

 

二神能基さん

ニュースタート事務局の理事。ニート・引きこもり関連の著書がたくさん。

 

・種延真之さん(欠席)

phaさんの思想に同調する、恵比寿のギークハウスのメンバー。公園で寝ているらしい…しかも最近結婚したという。

 

 

トークの内容はちょいちょいメモしてたけど、印象的だった話を書きます。

 

働く・働かないの行き来ができる環境が理想(phaさん)

勤め人になると難しいですが、プログラミングができるとかデザインができるとか絵がかけるとかのスキルがあれば、フリーランスとして柔軟な働き方ができるかもしれないですね。クラウドソーシングもそういった働き方を実現させてくれるようなサービスですねー。

phaさんもプログラミングに出会い、それが衝撃的で会社を辞めたぐらいですからね。

 

勤勉であることをアピールしなければならない社会はおかしい!

仕事がないからってぼーっとしてたら上司に怒られるからなー。やだなー。

仕事が無い時は休んで、その分のエネルギーを仕事にまわせばパフォーマンス上がるきがするんだけど…。

 

同じ立場・同じ趣味の人達のコミュニティに参加すべき(phaさん)

コンピュータが好きならコンピュータ好き同士、ゲーム好きならゲーム好き同士で集まるのが良いというphaさんの発言。社会と繋がりがなくても、同じ立場の人たちとは繋がりがあるだけで、精神的に楽になるかもしれないですね。相手もダメな人だとちょっと楽になるかも?とのことです。

仲さんも、大学時代のサークル活動の経験からこの意見に賛同していました。

 

ニート・引きこもりの良いところはなにか

この質問に対して、雨宮さんやphaさんが苦笑していたのが印象的です(笑)

ニュースタートのスタッフである中本さんは、パワポを使って4つの良い点を挙げていました。

1.人間マイナスイオンを発している

癒し

2.生活能力がある

家事とかは自発的にするらしい

3.女性を尊う

女性スタッフとのコミュニケーションから感化され、女尊気味になるらしい

4.仕事に期待していない ←すいません曖昧です

 

 

また、雨宮さんは見栄っ張りで利己的な態度をとる、いわゆる体育系を非難していました。日常で就活的コミュニケーションをする人、ということらしいです。

体育系っていうと、例えば合唱コンクールとか球技大会とかの学校行事の時だけ張り切って仕切る人とかだろうか?あまりピンとこない(笑)

 

そういった人間とは対照的に、ニート・引きこもりの人は人を傷つけない・自然体であると言っていました。正に人間マイナスイオン

実際、会場から穏やかな雰囲気が伝わってきたし、種延さんが欠席したのも良く言えば自然体だから、ということになりますね。

 

 

 

まとめ

僕もそうなんですが、友達がいれば行動を起こしやすかったりするので、phaさんの言っていた通り、何かしらつながりを作るのが大切なんじゃないかなと思います。

ネットがあるから自分と同じ趣味、立場(価値観…は難しいかもしれないけど)の人を見つけるのは容易いけど、ネットだけの繋がりで終わらないで実際に会ってみたら良いかもしれません。phaさんも実際に会うことに拘っていました。ネットという世界の中の不特定多数の中の一人としてではなく、身近な人として話をしてみるとより親しくなるし、相手も同じ立場なら、自分を客観的に見れるかも?

悩みとか不安を内に秘めたままだと、気に病んでしまってうつになったりするのが一番危険だと思います。

 

それに、ニートの良いところで中本さんが言っていたことから、ニートと親友になったら長続きしそうですよね。コミュニケーションが取れる相手は限られるけど、ハマったら(価値観が同じだったり、親身になって話したり)一緒にいて楽しい存在になり得るんじゃないでしょうか。

 その点で、レンタルお姉さん・お兄さんや寮生活といったサポートは、自立するために効果的だと思います

 

 

phaさんのブログに写真付きの記事が上がっていたのでよろしければドゾー

pha.hateblo.jp

死ぬ覚悟も生きる覚悟もない

(・_・)「僕は死ぬ覚悟もないが生きる覚悟もない」

(・_・)「自殺は怖くてできなかった、だから生きている」

(・_・)「消去法的に生きていくという選択をしたからか、日々の生活は非生産的でクソみたいなものだ」

 

(・_・)「朝 お布団から出るのが億劫だ」

(・_・)「昼 リビングにいる家族の目が怖い」

(・_・)「夜 今日も何も変わらない一日だったと後悔し自己嫌悪に陥る」

(・_・)「そしてお布団の中で明日こそは実りのある一日にしようと決心する」

(・_・)「今日までの僕とは今日きりだ」

(-_-)

(-_-)

 

(・_・)

(・_・)「朝 お布団から出たくない」

(・_・)「昼 家族と会いたくないから自室にこもろう」

(・_・)「夜 今日も何も変わらない一日だった」

 

(・_・)「毎日が無気力で何もやる気が起きない、限りなく死んでいるに近い状態である」

(・_・)「いわば生きている死体だ」

(・_・)「養う親にとってはこれほどタチが悪いものも無いだろう」

(・_・)「生かしていても何の見返りもない、能力が無いから将来にも期待できない、能力を身につけようという気もない」

 

(・_・)「それでも家族は、僕を家から追い出したりしない」

(・_・)「これが無償の愛というやつなのだろうか」

(・_・)「だとしたら、せめて僕が人生を楽しんでいれば親孝行になるだろうか」

 

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