バイトをしたいけど怖い
変化の無い毎日を送っている。
折角の休学期間だが、休学前の鬱々とした気分から少し回復したくらいで、状況はあまり変わっていない。
就活は何もしていない。スーツは昨日、親に買ってもらった。
あと二週間で二度目の大学4年生が始まる。
休学期間中にバイトをするつもりだったが、結局できずにここまできてしまった。
スーパーのバイトの面接は一回行ったが、そこに落ちてからは一度も面接に行っていない。
やったのは数回の交通量調査のバイトだけだ。
交通量調査のバイトは募集が始まるとすぐに埋まってしまうほどの人気のため、見つけたらすぐに応募するようにしている。
でも最近は求人が少ない。
この時期はないものなんだろうか。
正直長期のバイトはしたくない。
人間関係に気を遣うのがめんどうなのが一番の理由だ。
今までやった長期バイトは小さいスーパーとオフィスや学校の床清掃だ。
スーパーは一ヶ月でやめてしまった。
店員の一人をとても恐れていた。
僕はメンタルが弱いのでちょっとの注意でもひどく落ち込む習性がある。
一度注意されると、その後は怒られないかビクビクしながら仕事をするようになってしまう。
そうなるとバイトの時間が始まるまでの時間はとても憂鬱になった。
授業が終わったあとはバイトの時間までなにも手を付けられないほど緊張していた。
テレビをつけて、毛布にくるまりながらバイトの時間までを過ごす。
時間を何度も確認しては、「あと〇分でバイトに行かなきゃ…」と時が進むごとに緊張は増していた。
掃除のバイトは週末に1,2回勤務ではあるが、一年続いた。
しかし、バイトの始業時間までの地獄の時間は同じようにあった。
受験を理由にバイトを辞める時まで、その時間は必ず憂鬱になった。
仕事をしている人は皆そういう気分になるものなんだろうか。
多分そうなんだろう。
それでも仕事に行かなければ生きていくことができないから、我慢して行くのだろう。
僕の場合は実家に住んでいて、働かなくても生きていくことができるからまだ気楽な方なのかもしれない。
それらのバイトは高校生の時の話で、大学生になってからは長期のバイトはしたことがない。
短期のバイトとして食品工場と年賀状の仕分けをやったことがある。
どちらも一ヶ月もせずにバイト期間は終わった。
この短期バイトの時は地獄の時間は無かったと思う。
「嫌だな」という気持ちはあったが、それでも長期のバイトよりは気楽すぎるほどだった。
バイトの期間に終わりが見えているから、気楽な気持ちになったのだろう。
交通量調査に至っては、ほぼ単発・日払いなのでバイト当日はテンションが上がるくらいだ。
でも、交通量調査以外の単発バイトはやる勇気がない。
求人を見る限り、単発バイトはイベントの設営や事務所移転などの肉体労働が8割を占めている。
体育会系が苦手な僕にはとてもやりたいとは思えない。
大学が始まるし、長期のバイトで安定させたいけど勇気がでない。
店員が怖かったらどうしよう、怒られたらどうしよう、バイト前の地獄の時間もあるだろう、面接どうしよう、仕事を覚えるのが大変そうだ、多分できない。
考えるのはそういうことばかり。
近場のたい焼き屋の求人が出ていて気になるけど、やっぱり勇気が出ない。
変わりたいけど変われない。